What's OREAD?
オーリアッドOREADとは、ギリシャ神話に登場する山の妖精の名前です。
1985年8月にオープンしてから、オーリアッドは、ライブハウスとして、南正人、西岡恭蔵、小室等、みなみらんぼう、友部正人、加川良、大塚まさじ、河島英五、清水国明、豊田勇造、古川豪、ひがしのひとし等のフォークシンガーを迎えてライブを行ってきました。音楽だけでなく、詩の朗読、パントマイム、舞踏、講演会等のイベントも開催してきました。
90年代に入り、さまざまな事情で休業を余儀なくされましたが、この度、再開することになりました。オーリアッドを「かつては子供であった大人たちの出会いの場、創造の空間にしたい」という当初の想いは今も変わりません。
時代はすでに21世紀。国の内外で心を萎えさせる事件が相次いでいます。未来に希望を持つことが難しい時代になりつつあります。しかし、こんな時代だからこそ、時には日常のあわただしさを離れ、ゆったりと流れる時間に身を置くために、オーリアッドへお越し下さい。
当分の間、営業時間は、水曜日から土曜日までの午後6時から11時までです。プロによるライブのない土曜日は「飛び入りライブデー」です。どなたでも歌うことができます。
通常は普通の喫茶店として営業しています。玄米野菜ピラフ、玄米カレー、コーヒー、紅茶、どくだみ茶、いちょうの葉茶、高麗人参茶、各種ジュース(100%)、オーリアッド特製レアチーズケーキ等がおすすめです。ビールをはじめアルコールも各種あります。
本棚には詩集、宗教書、小説、エッセイ等、さまざまなジャンルの本を置いています。ぜひ一度お出かけ下さい。
August 2003
ライブハウス・オーリアッド
オーリアッド開店に寄せて (「OREAD通信」創刊号より 1985年8月)
夏の盛りである。今年は、梅雨が梅雨らしかったように、夏も見事に夏らしい。頭のどこかが記憶している子供の頃の夏がよみがえってくるようだ。
黒い三角フンドシひとつで横川川で泳いだり、スイメンを使ってカジカをとったりした。麦わら帽子をかぶり蝉や蝶を追いかけた。なんの痛みも感じずに、白い菓子折りの空き箱に虫ピンでとめた。
あの頃何を考えなにを期待して生きていたのだろう。よく思い出せない。様々な小さな悲しみは確かにそこに存在していたに違いないが、思い出されることはただ、よく晴れた夏の朝のようなさわやかさである。
リルケは、小さな子供の頃のことを「貴重な、王者のような富」と表現しているが、それはおそらく、子供というのは誰でも、未来や過去について思い煩うことなく、一瞬一瞬を生きているからだろう。そしてそのように生きることが、「創造的である」ということの真の意味であるように思われる。
我々は再び子供に戻ることはできないが、子供たちから学ぼうとすることはできる。創造的であろうとすることはできる。
オーリアッドがかつては子供であった大人たちの出会いの場、創造の空間になれたらと思う。あの頃の「さわやかさ」を少しでも取り戻せたらと思う。
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