OREAD diary January 1〜January 31, 2004

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January 31, 2004 Saturday

飛び入りライブデー。午後松本大手公民館でのトーク&コンサートを聞きにきてくれた山岸豊さんが、開店時間直後一番にオーリアッドにかけつけてくれた。お客さんのいない時間、前座としてぼくが普段あまり歌わない歌をいくつか歌う。「ボブ・ディランに捧げる歌」「サウンド・オブ・サイレンス」など。「ボブ・ディランに・・」は本当に久し振りに歌ったが、たまには歌ってもいいかなと思った。

次に山岸さんが、「染まらず、止まらず」「雪降る夜に小布施で」「木陰の季節」「天気がいいので布団を干した」等を歌い、その後、Miss Katsuno とのセッションで、Let It Be, Hey Jude, Yesterday等を歌う。山岸さんの変則チューニングのギターワークは素晴らしい。

  

しばらくして中村東茂一さん夫妻が来てくれた。中村さんに「ジャニー・ギター」を弾いてもらう。もっと弾いてもらいたかったが、ブランデーがまわってきてもう無理とのことでステージを下りる。

堀内さんはフランス語で、「さくらんぼの実る頃」を歌う。喉の奥をふるわせるフランス語特有の r の発音が見事だった。ぼくは昔その発音ができず苦労した記憶がある。

その後、昨夜も来てくれた Dr. Yajima が来て、「今日は誕生日なのにいいことがないので仏滅かなと思って調べてみたら仏滅だった」と皆を笑わせたあと辰野中学校校歌をピアノで弾く。その後、彼の伴奏で堀内夫妻が「冬の星座」を歌う。

  

遅くなって長島功さん登場。仕事中に怪我をしたとのことで右人差し指の指先に絆創膏をしている。ギターが弾けなくなったとのことだったが、山岸さんのギターを借りて「名残り雪」を歌う。うーん、彼はやはりさだまさしが似合うようだ。

その後「普段あまり歌わない歌」の続きで、ぼくが「ポカレカレアナ(さよなら)」「パーティーは終わったよ」「門」などを歌う。

山岸さんは、2月21日(土)にまたきたいとのことだった。その日のメインフィーチャーの篠原一弘さんをよく知っているとのこと。

今晩は、どちらかというと静かな「飛び入りライブ」だった。これもまたよし。


January 30, 2004 Friday

スイミングから戻りオーリアッドに入ってしばらくして、ソニーのK氏より電話。出来上がってきたロバート・ジョンソンのブックレットを送るので校正をとのことだった。

ディランの訳に話題が移ると、彼は、みうらじゅんさんが昔ぼくのラジオ番組にリクエストしたことがあるといっていた、といった。実は、ぼくが今訳しているディラン17曲は彼の
「アイデン&ティティ―」という漫画に出てくるもので、今それが映画化されて話題を呼んでいるらしい。彼は京都出身なので、彼が聞いたのはぼくが昔近畿放送でやっていた「三浦久のダウンホームミュージック」に違いない。確かにあの番組ではよくディランの曲を流したものだ。

Dr.Yajima がニュージーランドの16歳の歌手、Hayley Westenra の Pure というCDを持ってきてくれた。1曲目は「ポカレカレアナ」で、これはぼくが日本語の歌詞を書いて、「さよなら」というタイトルで『セカンド・ウインド』に入れてある。この歌を最近歌うことはなくなったが、河島英五はこの歌がいいといって、一度オーリアッドで一緒に歌ったことがある。「あのねのね」もこの歌を最近もコンサートで歌ったようである。

このCDの最後は Amazing Grace だ。Pure というタイトルにふさわしいピュアな歌声。とても気に入った。 

明日は飛び入りライブデー。どんな人が歌いにきてくれるだろう。中村東茂一さんがきてくれるといっていたので、ひょっとしたら彼のギターが聞けるかも。


January 29, 2004 Thursday


ずっと以前に来たことのあるニックというイギリス人のAETの若者が立ち寄ってくれた。ロンドン出身の彼には、辰野の町は少々刺激に欠けるようである。無理もない。週末は辰野にいないことが多いらしい。AETの中に音楽をやっている人がいないかと聞くと、飯島町で教えているアメリカ人にブルーズシンガーがいるとか。一度オーリアッドへ連れてくるように頼んでおいた。

先日、STILLの演奏を聞きにきてくれたアイリッシュ・ハープ奏者のMs. Motaiからメールが入った。

  私ははじめて行きましたが毎週あのような楽しい時間を持っていらっしゃ
  るのはとてもうらやましいと思いました。アイルランドへ行くたびに寄っ
  ているパブを思い出しました。次回は是非参加させてください、よろしく
  お願い致します。

こちらこそよろしくお願いいたします。土曜日は飛び入りライブデーです、いつでもお気軽にお出かけ下さい。


January 28, 2004 Wednesday

今晩は赤羽真理さんが仕事帰りに寄ってくれ、「森の小道」の入ったレーナ・マリアのCDを貸してくれた。それを繰り返し聞いた。後半にいくつか聖歌が入っていた。懐かしかった。

高校生のころ、英語を学ぶために岡谷の教会によく通ったものだ。そこには宣教師のマカルパイン夫妻がいて、通訳つきで説教した。礼拝の中でいくつもの聖歌や賛美歌を歌った。今晩レーナ・マリヤの歌を聞きながら、しばし高校生のころのことを思い出した。

あのころぼくの前には大きな未来が広がっていた。というよりも、未来しかなかった。今、ぼくは未来より過去を思うことが多くなった。年齢を考えれば仕方がないかもしれない。でも今晩レーナの歌を聞いて、少しの間、高校生のころに戻れたような気がした。未来に向けて生きたくなった。

   キリストにはかえられません
   世の宝も、また富も
   このお方が私にかわって死んだゆえです
   世の楽しみよ去れ、世のほまれよ行け
   キリストにはかえられません
   世のなにものにも

マカルパインご夫妻にはお世話になった。1963年から1年間サンタローザに住んでいたとき、一度だけフレズノのお宅を訪ねたことがある。ミスター・マカルパインは亡くなったが、奥さんはまだフレズノに健在だと、数年前、松本に住む宣教師の方から聞いたことがある。今からでも遅くない。連絡を取ってみよう。できたら一言お礼がいいたい。


Janunary 26, 2004 Monday

ぼくのHPの掲示板にも書きましたが、このHPしか見ない人がいるかもしれないので、ここにも書いておきます。

「ブルース・スプリングスティーン・ライブ〜Eストリート・バンドの奇跡〜」という番組が1月28日(水)の午後11時から1時間、NHKのBS2で放映されるという案内がソニーから届きました。興味のある方はどうぞ。「2002年10月16日、スペイン・バルセロナでのステージを中心に、インタビュー映像を交え、アメリカン・ロックの王者の“今”を探る特別番組」とのこと。「アメリカン・ロックの王者」なんていう表現はちょっと hype and hoopla 気味ではありますが。

また今晩は11時から同じチャンネルで、デヴィッド・ボウイのパリ・オリンピア劇場でのライブが放映されるとのこと。


January 24, 2004 Saturday

スピーカーの調子は元に戻っていた。一晩おくと元に戻るようだ。これでは叩いて直すのとあまり変わらない。オーリアッドを昨年再開したとき、PA全般をチェックし調整して下さった寄藤先生が今晩来て下さった。先生に相談すると、「問題はスピーカーではなく、アンプでしょう」とのこと。完全にダウンする前に新しいものに変える必要があるだろう。

  

今晩はSTILLの演奏中心の飛び入りライブデーだった。リーダーの安藤則男さんのソロを含めて、前後2回計13曲。安藤さんのギターと伊藤享(すすむ)さんのウッドベースの演奏が小気味よい。印象に残った歌は、日本語で歌った A Hard Rain's A-Gonna Fall、 シェークスピアの作品を基にしたという「おれがちびすけだったころ」、それに英語で歌った Blowin' in the Wind。他にディランの曲は、It's All Right Ma, I'm Only Bleeding と Knockin' on Heaven's Door。前者は日本語で歌ったのだが、あまりも多くの言葉を曲にのせようとして、ほとんど理解できなかった。しかし、そのギターワークには舌をまいた。

   

他に歌いにきてくれた人は、大内恵さん、長島功さん、堀内千晴さん。大内さんは、オーベーションのエレアコでロックンロール風の歌を連発。「遠くへいく歌」「浮気ブギ」「迷子ワルツ」「自転車のうた」など。可能性を感じさせる面白い感性をもった人だ。長島さんは、「竹田の子守唄」「無縁坂」「秋桜」。こんなことを言ったら失礼かもしれないが、彼は、去年オーリアッドで歌い始めたころより、ぐんと上手くなった。堀内さんはいつものようにアカペラで「冬の星座」と「軍歌を歌ってもいいですか」といって「麦と兵隊」を歌う。

ぼくはお客さんもまばらな開演時間にSTILLの前座として「死は終わりではない」「千の風」「碌山」「カムサハムニダ、イ・スヒョン」を、また後半のはじめに、「風に吹かれて」「何もない青空」「ガビオタの海」「丁度よい」を歌う。

今晩は松本から安藤さんのファンや友人が何人かきて下さった。アイリッシュ・ハープの演奏家もいるとか。是非今度は演奏してもらいたいものである。



January 23, 2004 Friday


昨夜、左のスピーカーの調子が悪かったが、今晩電源を入れてみるとなぜか直っていた。子供のころ真空管のラジオが聞こえなくなると、よくたたいたものだが、今回は、たたきもなにもせず正常に戻った。しかし、しばらくするとまた左が聞こえなくなった。カウンターにすわっていた長島さんに見てもらう。配線や接続をかえて、いったんは両方から聞こえてきた(ように思えた)が、最後には今度は右のスピーカーから音が出なくなった。旧オーリアッド開店からもうほぼ19年経っている。あちこち傷んできても不思議ではないだろう。

明日のライブが心配だが、ギタリストの安藤さんは音響に詳しい。相談してみよう。

以前飛び入りライブでサックスを吹いてくれた荒井さんが、「伊那市民劇場」のちらしとポスターを持ってきた。「伊那市民劇場」は年に4、5回、有名な劇団を呼び、演劇をみる会である。月2500円の会費で会員が500人以上いるというから凄い。それでも劇団を呼ぶのにお金がかかり赤字だそうである。

閉店時間近くになって電話があった。ディランの歌を訳してほしいという依頼だった。17曲すべてすでに訳されているものばかりだが、新たに訳してほしいとのこと。いくつかの手強い歌があるが、ディランとなると俄然元気が出てくる。「ぼくが出会った歌、ぼくが出会った人」のエッセイの中ですでに訳した歌もあるし、何曲かはぼくの大好きな歌なので、それほど苦労はしないだろう。

明日は飛び入りライブデー。STILLの他にどんな人たちが歌いにきてくれるだろうか。歌うために、聞くために、またオーリアッド特製カレーを食べるために、是非お出かけ下さい。


January 22, 2004 Thursday

昨日は暦の上では一年で一番寒いとされる「大寒」だった。しかし今日は昨日以上に寒い。一日中零下で、日中でも外に出ると肌を刺すような寒さ。

次男が土曜日にかけたのだろう。平井賢のKen's BarというCDが置いてあった。聞いてみると、3曲目はBette Midlerの The Roseだった。いい歌だ。土曜日にユキエさんが歌ったのもこの歌に違いない。他に印象に残った曲はWhat a Wonderful World, You've Got a Friend それに、「見上げてごらん夜の星を」。

このCDを聞いているうちに左のスピーカーから音が出ていないことに気がついた。いろいろ触ってみたが直らない。明日、別のアンプを持っていって試してみよう。

10時ごろ入ってきた若いカップルの女性のほうが、「飛び入りライブ」で歌わせてもらえないかという。大内恵さんという箕輪在住の方で、「香月!」とも共演したことがあるとか。今度の土曜日でもいいですよ、といっておいた。どこかで聞いた名前だなと思ったが、考えてみたら、それは大石恵だった。

今度の土曜日の飛び入りライブには安藤則男さん率いるSTILLが来ることになっている。安藤さんは昔、喜多郎バンドでギターを弾いていたことがあった。ぼくが知り合った20年近く前、彼は松本で喫茶店/ライブハウスをやっていて、最初のオーリアッド開店の際には、すべてのノウハウを教えていただいた。ある意味ではオーリアッドの恩人である。

今度の土曜日は、是非STILLの演奏を聞きに、また歌いに、お出かけ下さい。


January 21, 2004 Wednesday


午後2時から、辰野町の飲食店組合の新年会に出席。横にすわった焼肉屋のご主人がフォークソングが好きだということで、帰りにオーリアッドに立ち寄って下さった。今度焼肉を食べにいかなくては。

今晩はエリック・クラプトンの BALLADS を聞いた。Tears in Heaven は以前によく聞いたものだ。今でも名曲とは思うが、あまりにもよく聞いたので、新鮮さに欠ける気がした。それは仕方ないことだろう。いいなと思った曲は、Circus と Over the Rainbow。
  Somewhere over the rainbow
  Way up high
  There's a land that I heard of
  Once in a lullaby
  Somewhere over the rainbow
  Skies are blue
  And the dreams that you dare to dream
  Really do come true
篠原一弘さんというシンガーから2月21日(土)の飛び入りライブに参加したいというメールが入った。その日はぼくは本城村で歌うことになっているが、午後6時までには戻ってオーリアッドを開けることができるはず。篠原さんは長野県在住だとは思うが、どこの町に住んでいるのかわからない。


January 20, 2004 Tuesday

先週の金曜日から昨日まで、九州へ行っていて留守をしていたが、1月17日(土)の飛び入りライブには、メインフィーチャーの「ユキエ&大月」をはじめ、Miss Katsuno、赤羽真理、フランケン池上、長島功の皆さんが歌いにきてくれたとのこと。Thank you very much.



報告によると、「ユキエ&大月」は、Yesterday, We're All Alone, The Rose, Without You, Endless Nightなどを歌ったとのこと。ユキエさんの歌も大月さんのピアノも素晴らしかったようである。もし The Rose が Bette Midler の The Rose だったら是非聞きたかったな。

  Some say love, it is a river
  That drowns the tender reed
  Some say love, it is a razor
  That leaves your soul to bleed
  Some say love, it is a hunger
  An endless aching need
  I say love, it is a flower
  And you, it's only seed

Miss Katsuno は森山直太郎の「さくら」をはじめ何曲かを、赤羽さんは「ホーボーズ・ララバイ」「幸せで平和な国」「主と共に」などを、フランケン池上さんは、「コーヒーショップ」「夢よ覚めないで」「あの夏休み」などを。長島功さんは得意の「無縁坂」を歌ったとのこと。

  

「ユキエ&大月」のライブに関しては次のようなメールが届いている。

  ユキエさんと大月さんのライブは良かったです。ユキエさんの
  声に綾戸智絵似の力強さと、ホイットニーのような繊細さが有っ
  て、もっと意識的に使い分けたら、面白いと思いました。もっと
  沢山聞きたかったですが、ミニライブの準備しかしていなかった
  ようで、あとはカラオケ大会風ジャムセッション?になりまし
  た。それはそれなりに楽しめました。

赤羽さんの長靴を見るとこの日は大雪が降ったことがわかる。諏訪の堀内夫妻は雪で有賀峠を越えてくることができなかったようである。ユキエさん、また是非歌いにきて下さい。

   
All photos by Takuya Miura


January 15, 2004 Thursday

寒い一日。家で長野ジャーナルのエッセイを書き上げ、徳本水の水を汲んでオーリアッドへ。

いつも土曜日に歌いにきてくれる赤羽真理さんがコーヒーを飲みに立ち寄ってくれた。彼は会社への往復を自転車でしていて、今晩も自転車とのこと。雪道で大変だ。レーナ・マリアの「森の小道」を教えてほしいというと、今度CDをもってきてくれるということになった。今度の土曜日はぼくはいないけれども、「飛び入りライブ」はあるので歌いにきてくれるようにお願いする。

今度の土曜日に出演予定の「ユキエ&大月」の大月さんのことを赤羽さんもよく知っていて、先日の「香月!」の演奏を、「ギター、ピアノ、ボーカル、すべてよかった」と絶賛していた。

明日(16日)の午後からぼくは九州へ行き不在ですが、16日、17日ともオーリアッドは営業しています。是非お立ち寄り下さい。特に土曜日の「飛び入りライブ」の「ユキエ&大月」はお見逃しなく。芦部さん、水野先生、フランケン池上さん、是非歌いにきて下さい。


January 14, 2004 Wednesday


久々のオーリアッド。昨日降った雪が道路にはまだ残っていて、気温もかなり下がっている。長野県南部には低温注意報が出ている。そのせいか今日はとても暇だった。そのおかげで(といっていいかどうか)、長野ジャーナルのエッセイを書いたり、外の掲示板用の17日と24日の飛び入りライブのポスターをかいたりすることができた。17日、ぼくは福岡の九州キリスト教会館で歌うことになっている。「ユキエ&大月」の演奏が聞けないのが残念!


January 10, 2004 Saturday

駒ヶ根高原美術館よりもどり、オーリアッドをオープン。最初にきてくれたのは、福岡への出張から戻ったばかりというフランケン池上さん。その後、前回演奏してくれた「音胡(ねこ)」のメンバーのふたりの女性。今回は「音胡」の演奏はなく、フランケン池上さんの弾き語りのみ。「日本国民労働歌」「コーヒーショップ」「いっちゃんうまい酒」「没関係(メイクウァンシー)ブルーズ」の4曲。今日の彼は前回よりも落ち着いていて、声にのびがあり、説得力が増しているように思えた。

歌と歌の間の彼の小話が面白く、諏訪の堀内さんが、それを受けてステージに上り、「冬の星座」を歌ったあと、小話を披露。それを受けてDr. Yajima がピアノで「冬の星座」と「冬景色」を演奏。そして小話をいくつか。今晩は小話、駄洒落ナイトと化した。

   

それから、Mrs. Yajima が We Shall Overcome を朗々とした美声で歌い、その後、ぼくが「千の風」「明日は遠く」「ガビオタの海」を歌う。ぼくの後、赤羽真理さんが、「ホーボーズ・ララバイ」(後藤悦治郎訳)「コンクリート・ジャングル」「陽の当るところへ」「旅立ちの時」「森の小道」(レーナ・マリヤの歌)を歌う。「森の小道」は赤羽さんの歌で何度も聞いた。とてもいい歌だ。

 

最後に垣内彰(ふりーぱ)さんが、碌山と高村光太郎への思いを語り、光太郎の「或る宵」を暗唱する。とても長い詩を暗唱したので驚いた。その最後の部分は次の通り。

  我らはただ愛する心を味わへばいい
  あらゆる紛叫を破つて
  自然と自由とに生きねばならない
  風のふくやうに、雲の飛ぶやうに
  必然の理法と、内心の要求と、叡智の暗示とに嘘がなければいい
  自然は賢明である
  自然は細心である
  半端物のやうな彼等のために心を悩ますのはお止しなさい
  さあ、また銀座で質素な飯でも喰ひませう

いつもとは少し趣のかわった飛び入りライブとなった。これもまたよし。


January 9, 2004 Friday

金曜日とあって、新年会帰りの方々が寄ってくださった。徳本水コーヒーにしてからお客さんが増えたような、そんな感じもする。

最後に寄ってくれたFさんに「何もない青空」「千の風」「死は終わりではない」を聞いていただく。誰もいないところで歌うよりも、誰か聞いていてくれると、練習にも力が入る。いよいよ明日は、駒ヶ根高原美術館でのコンサート。

コンサートは午後2時から、オーリアッドは通常通り午後6時から営業します。飛び入りライブデーです、歌いに、聞きに、そして徳本水コーヒーを味わいに、お出かけ下さい。



January 8, 2004 Thursday

厨房のドアを直してもらった。開閉がスムーズだ。今まで、ライブのときなど、演奏中に厨房へ行こうと思っても、ドアがなかなか開かなかったり、閉まらなかったりして大変だった。思い切り力を入れると大きな音がしたりした。

今晩は ハイブリッドCDの Planet Waves を聞く。このアルバムでは昔から On a Night Like This と Forever Young が好きだった。LPレコードのときは、A面の最後とB面の最初に Forever Young の異なるバージョンが収められていた。CDになるとそれが続いてでてくる。ぼくは後半の早めのヴァージョンが好きだ。

      May you build a ladder to the stars
      And climb on every rung

      星まで届く梯子をかけ
   一段一段上っていきますように

幼い息子ジェイコブへのお父さんの気持ちが伝わってくる。

長島さんから「三浦さんの<何もない青空>を聞きたいな」といわれ、駒ヶ根高原美術館でのコンサートの練習を兼ねて、「何もない青空」をはじめ「千の風」「幼い頃野原には」「もう一度だけ」「王城山に黄色い月がのぼり」を歌う。

徳本水コーヒーが好評である。確かにまろやかな味がするような気がする。


January 7, 2004 Wednesday

先日メールをいただいた「よしだよしこ」さんから、「ここから」というCDが送られてきた。早速今晩オーリアッドで聞かせてもらった。確かな演奏、美しい声。いくつかの歌が印象に残った。フォスターの Hard Times Come No More に彼女が詩をつけた「つらいときはもうごめんだ」。それにディランも歌っているトラディショナル The Water Is Wide に独自の詩をつけた「生命の河」。

反戦、平和を歌っている歌もある。「砂の唄」「地球の夜」。しかし彼女は、正義を大上段に振りかざし、声高に歌うわけではない。日常の生活の中から紡ぎだした自分のことばで、自分のスタンスで歌う。そこがいい。

暖かくなったらオーリアッドに来て歌ってもらいたいものである。

ディランファンの瀬戸さんが、ブートレッグ・アルバムを持ってきてくれた。Infidels のころのアウトテイクらしい。一緒に何曲か聞いた。一番よかったのは、Blind Willie McTell。「死は終わりではない」も入っていて期待したが、これはアルバム・ヴァージョンのほうがいい。

ぼくの住む今村の南の端に徳本水(とこんすい)という湧き水がある。ここ数年この水が週刊誌や新聞で名水として取り上げられ、連日水を汲みにくる人で賑わっている。他府県ナンバーの車が止まっていることもある。

ここ数日この水でコーヒーを入れている。コーヒーがまろやかになった気がする。そう感じるのはぼくだけでなく、何人かの人がそういうので、気のせいだけではなさそうだ。

よしだよしこさんのホームページは次の通り。http://homepage3.nifty.com/lotus/


January 3, 2004 Saturday

2004年最初の飛び入りライブデー。「香月!」の演奏は、予想に反して(失礼)、素晴らしいものだった。先ず1曲目の「夢一夜」 が始まって感じたのは、「大月」と「いがらん」のギターの確かさ。ボサノバ風の(とぼくには思えた)リズムを正確に刻み、そこにリードが適度に絡んでくる。凄い。

歌に関しては、つねに意味を求めてしまうぼくとしては、最初ボーカルの「香」が何を歌っているか聞き取れず少々とまどった。ところが2曲目あたりから、「香」の歌は「声」だと思うようになった。彼女はまったく無理をせず自然体で声を出す。そして、その声はまるで穏やかな海水のように聞く者を包み込む。羊水といったほうがわかりやすいかもしれない。気がつくと心がとても軽やかになっていた。音楽を聞いてこんな感じになったのは初めてだ。

  

「彼女の歌はいつまでも聞いていたいという気分になりますね」というフランケン池上さんの言葉が彼女の歌の本質を的確に表わしている。

こう書くと「香月!」の歌には意味がないと思われそうだが、家に戻って彼らのホームページでチェックしたら、歌詞も感性に溢れた優れたものだった。作詞「香」作曲「大月」の組み合わせによって見事な歌の世界が出現した。

彼らの歌った歌。「夢一夜」「Strawberry Night」、「しろうさぎなまいにち」「プライド(今井美樹)」「誕生〜Brandy Egg Nogg」、そしてアンコールに「Ann〜ラストソング」。

彼らのあと、久し振りに水野哲男さんが歌ってくれた。「錆びた耕耘機」「C」と新曲「区画整理」。水野さんの歌の視点がよくわかる選曲。彼は見捨てられたもの、取り残されたもの、失われつつあるものに暖かい眼差しを向ける。

その後、「音胡」登場。「おんこ」と読むと思っていたら「ねこ」とのこと。二胡(北沢智恵子)、ピアノ(塩沢明美)、ウッドベース(フランケン池上)のトリオ。彼らは結成されて間もないとのことで、1曲「燕になりたい」という有名な二胡の曲を演奏してくれた。オーリアッドで二胡とウッドベースの音が流れたのは初めてではないだろうか。是非またお願いします。



続いてフランケン池上さんがギター弾き語りで「没関係(メイクウァンシー)ブルーズ」「バーボンな夜」「君に会いたくて」を歌う。

その後諏訪から来たTAKASHIさんが「Seeing the World」「ハニー」「I Know 」という3曲のオリジナルとカール・パーキンスの「Blue Suede Shoes」を歌う。

ここで「香月!」が再登場し「しっぽのキモチ」と「Ann〜ラストソング」を歌う。



これで飛び入りライブは終わり、お店は通常営業に戻る。玄米カレーが好評だった。

そして、ほとんどの人が帰ってしまった閉店間際、ギターをもった人が、のそっと入ってきた。ぼくの持っているギルドのギターケースに似ていたので、「ギルド」かなと思ったら「ギブソン」だった。宮木に住んでいるというHitoshi Karasawaさんが英語の歌を2曲、Asia の「Open Your Eyes」と John Wetton の「Who Will Light Your Candle?」を歌ってくれた。寡聞にして John Wetton という人をぼくは知らなかったが、とてもいい歌だった。

最後に、今日は歌わないといっていた赤羽真理さんに無理強いして「アメイジング・グレース」を歌ってもらう。そして最後の最後にぼくが「何もない青空」を歌ったら、赤羽真理さんと岡田章さんから、「きれいなメロディ!」「三浦さんの歌になっていますね」と意外にも賞賛の声。齋藤さん、これは本当にいい歌ですよ。

2004年の最初の飛び入りライブは印象に残るものとなった。「歌」というものについて考えさせられる時間であった。


January 2, 2004 Friday


明日はオーリアッドの2004年の最初の日。飛び入りライブデー。どんな人たちが歌いにきてくれるか、どんな人たちが聞きに来てくれるか楽しみだ。メイン・フィーチャーは「香月!」。これも楽しみ。胡弓とピアノとウッドベースの3人組は来てくれるだろうか。

昔、「ピピ&コット」というフォークグループで歌っていたという女性から、「いつか、ご縁があれば OREAD で唄わせてもらえればなぁ、、、と思います」というメールをいただいた。こちらこそ是非お願いしたい。彼女は高田渡さんに勧められて、3年前活動を再開したとのこと。

  小さなライブハウスで30〜40人の前で歌っている。かつて
  何千人という観客の前で歌ったこともあったような気がする
  が、今もそして多分昔も、私はいつもたった一人の人に向かっ
  て歌いかけているような気がする。

とプロフィールに書かれていた。「いつもたった一人の人に向かって歌いかけているような気がする」というところを読んで、「そう、そうなんだよな」と共感する。


January 1, 2004 Thursday

本年もよろしくお願いいたします。

昨夜、「2004カウントダウン in いな通り町」へ行ってきた。ホッカイロを背中に2つ、お腹に1つ貼り、指の部分を切った手袋をはめ、完全防御の態勢で臨んだが、寒かった。手がかじかんでピックを落としそうになった。でも楽しかった。予定通り、Blowin' in the Wind, We Shall Overcome, 「新しい光迎えよう」を歌う。

写真は暗くて不鮮明ですが、雰囲気がわかるかも。ステージはトラックの上。

(1) (2) (3)

Photos (1) & (2) by Takuya Miura, and (3) by Hisashi Miura. The band in photo (3) is BONOBO.

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