OREAD Diary December 1〜December 31, 2005



December 30, Friday 2005

2005年最後の営業日。6時オープン。しばらくお客さんがいなかったので、30周年記念のリマスターされた『明日なき暴走』を大音響でかける。Thunder Road, Tenth Avenue Freeze Out, Night, Backstreets, Born to Run と続く5曲は圧巻である。

昨日に引き続き某高校のM先生がカレーを食べにきてくれた。しばし英語および音楽談義。彼は以前ぼくの「歌で学ぶ楽しい英語」の公開講座を受講したことがあり、英語(学習法)の本を早く出してほしいと依頼される。本に関しては、他にもいくつか問合せがあった。原稿はほとんど完成しているのだが、今年も結局本にできなかった。出版界の事情も少しはあるが、ひとえにぼくのずぼらな性格ゆえである。ひとつのことにとりかかると平行して他のことができなくなってしまう。来年こそは何とか形にしたいもの。

本は出せなかったが、今年一年、個人としてもオーリアッドとしても、いい年だった。特に、還暦記念の Rolling 60's Live Party は、多くのみなさんの協力を得て、終生忘れることのできないイベントになった。毎年やったらどうかという声もある。うーむ、まだ決めかねている。しんどいという思いと、面白いかもしれないという思いが交錯する。

一年間お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。新年の営業は1月4日(水)から、最初の飛び入りライブは1月7日(土)です。


December 29, Thursday 2005

ここ数日好天が続く。しかし気温は低い。午後買い物に出かけた。駐車場を歩くと、風が冷たい。身を切るような寒さ。

オーリアッドへは7時前に入る。ボブ鈴木が律儀にも本を返しにやってきた。来年歌いにくるときでよかったのに。彼の人生は今大きく変りつつある。これからどんな歌を聞かせてくれるか楽しみだ。

セカンドウインド英語教室。このクラスは教え始めて2年近くになる。音読と歌を通して、英語のリズムと、音の連続による音の変化を、しつこく教えている。みんな驚くほど上達した。少なくとも英語の発音に関してはどこに出しても恥ずかしくないだろう。

後半、オーリアッド。スピーカーからは「マーティン・スコセッシのブルーズ」シリーズの中から、「タジ・マハール」。Corrina, Fishing Blues, Freight Train など、おなじみの歌がちりばめられていて、聞きやすい。

随時翻訳。歌詞カードにはない語りの部分が多く、ちょっと大変。


December 28, Wednesday 2005

久々のオーリアッド。今日が仕事納めのところが多いらしく、何人かが帰りに立ち寄ってくれた。閉店まぎわには、「この町にコーヒーが飲めるところがあるとは知らなかった」といいながら、おそらく出張で辰野にきたと思われる人が入ってきた。ストーブの近くでコーヒーを飲みながら、しばらく Rolling 60's Live Party の中のいくつかの歌を聞いて、帰っていった。

以前一度歌いにきたことのある伊藤貴司さんが、来年5月14日に伊那のスキー場で行われるアースデイのイベントのチラシをもってきた。まだ具体的には何も決まっていないようなので、チラシというよりも趣意書といったほうがいいかもしれない。

環境保護とともに、外国籍の子供たちの就学支援のためのイベントである。コンサート、フリーマーケット、講演会、展示会、エコマネーなどさまざまなことが計画されている。1月になって実行委員会が立ち上げられ、詳細が決められるとのこと。個人としても、オーリアッドとしてもできるかぎりの協力を約束する。

伊藤さんは名古屋出身伊那在住とのことだが、伊那谷は実に魅力的だと語る。このような地形は世界でも珍しいのではないかと言う。ちょっと大袈裟なとも思ったが、そう言われて、行ったことのある国々のことを思い出してみた。確かに伊那谷のようなところは思い浮かばない。ぼくが伊那谷が好きなのは、中央アルプスと南アルプスの間のほどよい広さである。広すぎもせず狭すぎもせず。午後遅く、信大農学部のあたりから見る夕日に染まる仙丈は実に美しい。それに何よりも、伊那谷が観光地化かしていないことが好ましい。

11時半家に戻る。満天の星空。文字通り、「今夜も星が降るようだ」。


December 24, Saturday 2005

クリスマス・イブ。2005年最後の飛び入りライブ。

最初にやってきたのは、今年後半、本当にお世話になった藤原和義さん。昨日と今日の二日間、彼は木曽の湊谷夢吉さんの奥さんの住居で、夢吉さんの歌を5曲レコーディングしおえたばかり。かなりいいものが録れたようだ。ぼくが以前に吹き込んだ3曲も聞いたとのこと。ドラムズが加えられていてとてもよかったという。完成が待ち遠しい。

藤原さん、まず一曲目はその夢吉さんの歌。タイトルを忘れたが、言葉も曲も夢吉ワールド。続いてロシア民謡3曲。「小さなぐみの木」「ともしび」「淋しいアコーディオン弾き」。藤原さんにはロシア民謡がよく似合う。




次に登場は先週に引き続き藤森和弘さん。クリスマスにちなんで、「安奈」。その後「サボテンの花」「水鏡」。3曲目は以前にも彼が歌うのを聞いたことがある。いい歌だ。ここで下がろうとするところ、客席から「Close Your Eyes」のリクエスト。さらにそのカップリング曲、「YAMATO」。



ここで、最近、藤原さんの「バラライカ」を密かに歌っている中村東茂一さんにお願いする。しかし固辞されるので、ぼくが「花語らず」「テネシー・ワルツ」。藤原さんの「テネシー・ワルツ」を真似て歌うのだが、上手く歌えない。本人の前ではなおさら。

次に久々登場の杉本等さん。「看護婦の君へ」「最後の想い」、そして「権利」。何度か杉本さんが歌うのを聞いたことがある。しかし、今晩が最高だった。ことばのひとつひとつが胸にしみ込んでくるのがわかった。杉本さんは自ら Fujihara Children の一人というが、今日の杉本さんは、「父」の眼前、そのことを実証した。




ここから後半。垣内彰さん、高村光太郎の詩「碌山」の朗誦。藤原和義さん、「最後の想い」「思い出しておくれ」「テネシー・ワルツ」。「最後の想い」の歌詞は、杉本さんと藤原さんでは若干異なる。藤森和義さん、「上を向いて歩こう」「人間のラクダ」「幸せになろうよ」。



ここで子供たちとのクリスマスパーティーを抜け出てきた長島功さん。歌うつもりでこなかったとのことで、藤森さんのギターを借りて「最後の手紙」。歌詞カードもなく歌いはじめ、途中でことばにつまってしまう。しばらく考えていたが出てこない。そこで「ローリング60'sライブパーティー」の「最後の手紙」を流し、「口パク」で無事終了。盛大な拍手。次にぼくが杉本さんと藤原さんが歌った「最後の想い」の原曲を歌う。 Tom Paxton 作詞作曲の The Last Thing on My Mind。この歌は昔本当によく歌ったもの。「一通の手紙」の中にも「ディランやパクストンの歌を歌い/ 互いの夢を語り合ったものだ」というところがある。ここで藤原さんに再度登場してもらい、今年最後の飛び入りライブの最後の一曲をお願いする。彼が選んだ曲は「オーリアッド(妖精)」。



その後しばし歓談。最後まで残っていたご夫妻の夫君の誕生日が今日とのことで、Imagine と Let It Be をリクエストされる。レノンのファンというので、Imagine のかわりに「ジョン・レノンに捧げる歌」を歌う。 Let It Be も。その後、藤原さんに3拍子のギターの弾き方を教わって閉店。


December 22, Thursday 2005

各地で、特に普段あまり雪の降らない西日本で、大雪が報じられている。昨夜の様子では辰野も今朝は大雪になるかもしれないと恐れたが、朝6時、起きてみると、つもってはいるが、深いところでせいぜい5センチ。ほっとした。12月になって何度か雪が降ったが、ありがたいことに根雪になるような雪はまだない。しかし気温は低い。こんなに寒い12月も珍しい。

前半英語教室。後半オーリアッドへ。小さなストーブではなかなか温まらない。遅くなって翻訳。

久々に Photo Albums に Rolling 60's Live Party の写真をアップしました。興味のある方は、トップページの Photo Albums からアクセスしてください。また出演者にはCD-Rをお渡ししたいと思っているのですが、なかなか作業がはかどりません。もうしばらくお待ち下さい。

明日は臨時休業。



December 21, Wednesday 2005

夕方オーリアッドへ。それまで家で仕事。翻訳。午前中、足の踏み場もなくなった仕事部屋の整理整頓。今まで足元のハロゲンヒーターだけでしのいできたが、とうとう寒くてオイルヒーターを入れることに。その置き場所を確保するため。床が見え、自由に歩けるというのはいいものだ。

オーリアッドでも久々にPCをオンにし、翻訳を継続しようと思ったが、久々にオンにしたので、なかなか接続できない。接続できたと思ったら、メールの数がものすごい。半端な数ではない。2144通。そのほとんどがジャンクメール。削除するだけで時間がかかってしまった。

11時過ぎ閉店。外に出ると雪が降っている。地面は一面真っ白。大雪にならなければいいが。

「明日なき暴走 BORN TO RUN 30th Anniversary Edition」本日発売。初日の出荷数はボックスセットとして異例の数だとか。amazon.co.jp 初日18位。アメリカでは11月15日に発売されたが、amazon.co 現在4位。 その人気のほどがうかがえる。

Devils & Dust がリリースされたのはもうずっと前のことのように感じられるが、今年の4月か5月のこと。五部門でグラミー賞にノミネートされている。

 Song of the Year: Devils & Dust
 Best Rock Song: Devils & Dust
 Best Solo Rock Vocal Performance: Devils & Dust
 Best Contemporary Folk Album: Devils & Dust
 Best Long Form Music Video: Devils & Dust (DualDisc DVD Content)

ロックとフォークの両方にまたがったノミネートされているのが興味深い。今年はマライア・キャリーが強そうだが、ブルースは何か受賞するだろうか。


December 19, Monday 2005

終日、翻訳。年末年始は翻訳に追われそう。午後遅くスイミングへ。400メートル歩いたり泳いだり。長く椅子にすわっていたので腰が痛くなっていたが、サウナから出たあと調子がいい。身体を動かしたせいか、温まったからか。

小池耕太郎君からイベント案内が届いた。

  
X'mas Live @ KURUMI
   〜 真冬のNew Age Circus 〜


  
日時:2005年 12月25日(日)午後6時開場、7時半開演
  場所:カントリーキッチンくるみ
  チケット:2000円(前売り)
  くるみHPにてWeb予約可 http://www.kozo-kurumi.com/
  出演:
  ・桃色シークレット・サービス(東京)
  ・ジャンピング・バンビ(東京)
  ・小池コータロー(信州)
  ・乙事主(諏訪郡)
  ・国枝バンド
  ・In Dios(諏訪)


恭蔵さんと何度か初期オーリアッドにもきてくれた岡嶋Bunさんもゲストとしてくるらしい。バンド等の詳細は上記くるみのHPで。



December 17, Saturday 2005

大寒波襲来、大雪予報のなかの飛び入りライブ。来て下さった歌い手、お客さんに感謝。静かな味わいのあるライブになった。

トップバッターは駒ヶ根からやってきた久保田治彦(またの名を彦音)さん。駒ヶ根、伊那はかなり降っていたが、辰野に入るとまったく降っていなかったとのこと。一曲目オカリナで「アメージング・グレース」。繊細なやさしい音。2曲目はギター曲「ティコ」。きれいなメロディーだ。指の動きもすばやい。3曲目は「涙そうそう」のカバー。4曲目、オリジナルの「もうひとつの誕生日」。最後に、ギターのオリジナル曲「古の森」。



続いてぼくが、先日のマンダラ2で歌って評判のよかった「幼いころ野原には」。京都にいたころ今住んでいる辰野町今村のことを思いながら書いた歌。さらに、「明日は遠く」と「門」の2曲。いずれもぼく自身気にいっている歌。

次に登場は、藤原和義さん。一曲目は「木枯しの街を」。昔伊那の通り町を歩いていていたときにアイディアが浮かんだという歌。今の季節にぴったり。2曲目、北海道の高校時代に書いたという「雪への思い出」。メロディといい言葉遣いといい、現在の彼の作品に直結している。さらに『瓶の中の球体』から「思い出してごらん」。そして、The Last Thing on My Mindを日本語で。



赤羽真理さん。一曲目は「陽のあたるところへ」。彼がこの歌を歌うのを久々に聞いた。そして、「森の小道」と定番「千両梨の実」。先週も書いたが、赤羽さんには「千両梨の実」につづく新曲を来年は是非期待したい。Rolling 60's Live Party の録音を聞いたが、この歌は本当に名曲である。



ここで10分休憩。後半のトップは、昨夜に引き続き来て下さった上條俊一郎さん。フォークミュージックとのかかわりについて語ってもらう。音楽舎、URC、ゼロ音楽出版などを通じて多くのシンガーのマネジャーをしてきた頃のお話し。上條さんは今、長野県で何かできないか、ミュージシャンのユニオンのようなものができないか、と考えている。いろんな制約やしがらみがあって難しいかもしれないが、実現したら面白い。



後半のシンガーとしてのトップは、久々登場の藤森和弘さん。今夜ももちろん歌うはナガブチ。「乾杯」「青春は手品師」。それに今日封切られたという映画『男たちの大和』の主題歌。胸に迫るものがある曲だが、正直なところ、ぼくの心にアンビヴァレントな感情を引き起こした。ディランはいう、"They say that patriotism is the last refuge/ To which a scoundrel clings"



次に久保田さん。「イェスタデイ」のギター演奏と「風のように歌が流れていた」。そしてぼくが「次郎」を歌い、最後に藤原さん。定番3曲、「テネシー・ワルツ」「カントリー・ワルツ」「バラライカ」。マンダラ2での年末ライブで「テネシー・ワルツ」を歌ったが、今晩藤原さんの「テネシー・ワルツ」を聞いて、まだまだぼくにはあの味を出せない、遠く及ばない、と実感した。

 

しばし歓談。11時閉店、外に出ると雪はまったく降っていない。空には星さえ見える。ありがたい。



December 16, Friday 2005

昨夜はぐっすり眠ったせいか、今日は身体が比較的楽だ。午後遅くスイミングへ。400メートル歩いたり泳いだり。

開店後まもなくして、二人の男性が入ってくる。一人は堀六平さん。もう一人は会ったことのない人。いただいた名刺から、六平さんのマネジャーで、上條俊一郎さんという人だとがわかる。さらに話していると、昔、音楽舎およびURCレコードのスタッフをしていて、そのあと橘雄介さんのゼロ音楽出版に移ったということがわかった。共通の友人知人もいて話が盛り上がった。8年ほど前、故郷の松本へ戻ってきたとのこと。

二人が帰ろうとしているところへ、ドクター土屋とドクター漆原、それにスタッフの方々4,5人が入ってくる。六平さんをテレビで見たこともあるという人もいて、「信濃の人とお茶のおはなし」を歌ってもらう。

その後、ドクター漆原持参のCDを聞く。バッハの「ロ短調ミサ曲」(カール・リヒター指揮)、ブルックナーの「シンフォニーNo.9」(北ドイツ放送交響楽団、ギュンター・ヴァント指揮)、最後にヘンデルの「オルガン・コンチェルト」。最初のバッハの曲がぼくにはもっとも印象深かった。クラシックも時にはいいものだ。

今週末は寒波が襲来し、大雪になるおそれもあるとか。明日は飛び入りライブ。ちょっと心配だ。


December 15, Thursday 2005

昨夜はマンダラ2にて「第12回年末ライブ」。大勢の方々が聞きにきて下さった。当日の反応、その後届いたメールなどによれば、いいコンサートになったようだ。中川五郎さんも聞きにきてくれ、最後、彼もステージに上ってもらい、会場のみなさんと一緒に Blowin' in the Wind の大合唱。

長男からプレゼントされた赤い Takamine をもっていった。写真をアップしていて気がついたが、ギターの野間義男さんも、意識してか赤いジャンパーを着ている。照明の人も、赤のライトを多用してくれたようだ。

清水(国明)君のプロデュースで第一回が行われたのが、1994年12月21日。そのときぼくはまだ48歳だった。「光陰矢の如し」、あっという間に12年が過ぎ、還暦を迎えた。ここまできたら、もう12年、マンダラ2で年末ライブをやるのも面白いと思い始めている。半分冗談ではあるけれど。

   

 
all photos by k. miura

今日の午後4時ごろ辰野に戻る。東京は暖かかった。やはり信州は寒い。オーリアッドは土曜日以来初めてなので、冷え切っている。暖房をつけてもなかなか暖まらない。英語教室のあと、店に戻ったが、お客さんは誰もいない。何曲か歌ったあと、早目に店を閉め帰宅。寒かったし、疲れていたので。


December 13, Tuesday 2005

今朝、玄関先の温度計は−10℃をさしていた。今年の冬、最も寒い朝。うっすらと雪も積もっていた。本格的な冬の到来である。午後松本から戻り、明日のマンダラ2での年末ライブの選曲などを考えた。まだ最終的に決定してないが、なんとかなるだろう。

このライブは先日のRolling 60's Live Party の version two とも言えるもの。version one では多くの友人が歌いにきてくれた。明日は、ぼく一人で歌う還暦記念コンサート。いいコンサートになることを願っている。

オーリアッドは明日お休みです。



December 10, Saturday 2005

飛び入りライブデー。6時3分辰野駅着の電車で千葉より帰る。改札から出てくると、山岸豊さんがいる。驚いて「どうしたんですか」というと、迎えにきてくれたとのこと。ありがたい、しかし、駅に車をおいてある旨伝え、いそいでオーリアッドへ。実は今日は家人が所要で不在なので黒岩さんに6時に開店するようにお願いしておいた。オーリアッドに入るとすでにジョン・サンダーズさんと奥さんのステファニー・ぺドレッチさん、それに大森美智子さんと娘さんがいた。それに山岸さんも。

大森さんの娘さんの加奈子さんがギターを持っていた。演奏しますかと聞くと、3ヶ月前に始めたばかりなのでピアノを弾くという。ノラ・ジョーンズの Shoot the Moon。厨房にいることが多く、じっくり聞けなかったが、厨房から出てくると、ギターを弾いて歌いたいという。Knockin' on Heaven's Door だという。それではと、山岸さんにリードをお願いする。3ヶ月前に始めたとは思えない堂々とした演奏と歌。まだ20歳(maybe 21)の辰野出身の女の子がディランを歌う。ぼくはそれだけで感激してしまう。盛大な拍手。そしたら、今度は Blowin' in the Wind を歌いたいという。それならと、ジョンにもサックスで入ってもらう。凄い。若いというのは凄い!可能性を秘めた20歳 (maybe 21)。



次に山岸さんにお願いする。大森加奈子さんに触発されたのかディランの2曲。I Shall Be Released と Forever Young。ジョンがサックスで入る。ジョンは前回は肩の下まで長髪が垂れていたが、髪を短くして別人のよう。道で会ったらわからないだろう。ニコニコした顔はどこにでもいる好青年。ところがサックスをくわえると顔つきが一変する。真剣なミュージシャンの顔。次にステファニーがフルートで Syrinx (C. Debussy) と Hungarian Pastoral Fantasy (F. Doppler) の2曲。見事演奏で盛大な拍手。

 

久々小沢順子さん。「アメージング・グレース」「津軽じょんがら節」の2曲。いつ聞いても、「津軽じょんがら節」は凄い。これが大正琴の演奏かと思う。「えいっ」とか「やっ」とか気合が入り、まるで格闘技のよう。本当に凄い。

 

次に水野哲男さん。白馬の学校に勤めていた頃に書いたという、「杓子岳」とまだ名前のない新曲。一体人生に何が一番重要なのかを自問する歌。ディランは、その答えは風に舞っているといい、宮沢賢治は、求道即道という。続いて藤原和義さん。「木枯しの街を」を含む2曲。一曲目が思い出せない。というよりは、厨房に入っていた。藤原さんはローリング60's ライブパーティーのあと、左手の指の爪を剥がし、ようやく数日前ギターが持てるようになったとのこと。彼が爪をなぜ剥がしたのか書いても誰も信じないのでここには書かない。でもやはり書きたい。兎の穴に落ちたからだという。どんな穴だろう。



いよいよ本日のメイン・イベント。「山田守人と彼のともだちバンド」とジョン・サンダーズの競演。What I Say, The Sky's Crying, Sweet Home Chicago, Chicago Bound, Messing with the Kickの5曲。いずれもすばらしい演奏。会場は拍手と歓声の渦。今回ぼくが山田さんの演奏に感じたのは彼の気配りと優しさ。シカゴからきたというジョンのためにシカゴにまつわる歌を2曲入れたばかりでなく、ジョンのサックスが映える選曲に終始した。

山田さんのギタリストとしてのテクニックの凄さにも脱帽。特に、「シカゴ・バウンド」のリードギターは、スプリングスティーンの「俺はこのギターを語るように弾くことができる」(「サンダーロード」)という言葉を思い出させた。「山田守人と彼のともだちバンド」はドラムズ、ペーさん、ベース、斉藤勇さん。彼らの職人のような演奏も見事。






ここで前半終了。15分休憩。後半のトップを大森加奈子さんにお願いする。Knocking on Heaven's Door。再び盛大な拍手。次に久々登場の藤森一志さん「一つの言葉」「月夜にスキヨ」の2曲。高温がよくでるきれいな声。次は赤羽真理さんが、今年一年この歌を歌い続けましたといって「千両梨の実」。来年は是非新曲を。



次に長島功さん。水野哲男さんのリードで「最後の手紙」。水野さんのリードとよく合って、素晴らしい演奏。次に長島さんのリードで水野さんが「君の声が聞こえない」。久々に聞いたこの歌は説得力があった。続いて、ステファニーが Carnival of Venice (P. Genin)を演奏。これは前半の2曲よりも激しく変化する演奏で、驚異のため息といつまでも続く拍手



最後に藤原和義さん。「テネシー・ワルツ」「最後の想い」それに「オーリアッド(妖精)」。一曲ごとに会場は静寂に包まれ、そして盛大な拍手。その後、しばし歓談。

今晩は「オーリアッドの妖精」不在につき、黒岩さんには大変お世話になった。閉店したあとの皿洗いまで手伝っていただいた。さて帰ろうということで、彼を見ると、帽子をかぶっている。驚いた。小林旭がそこに立っているかと思った。思わず、ステージに上ってもらい記念撮影。

 


December 8, Thursday 2005

午後、明後日の千葉県教育会館でのトークライブの準備。当日用ハンドアウトをある程度作成してから、ギターとCD&本の入ったダンボールをホテルへ送る。その後、スイミングへ。

前半英語教室。そのあとオーリアッド。お客さんがいなかったので久々に歌ってみる。まず「ジョン・レノンに捧げる歌」。今日は彼の命日。

 ミスター・レノン、暗闇の声が言った
 振り向いたときリボルバーが火を吹いた
 ニューヨークはマンハッタン、セントラルパーク・ウエスト
 ジョン・レノンが死んだ

そのあと、「パーティーは終わったよ」。14日のマンダラ2の年末ライブで歌うようにリクエストされた曲。この歌はぼくの歌の中ではもっともカバーされた歌。ぼくの知る限り、あのねのね、タンポポ、舟木一夫、少年隊が歌っている。しかし、意外と歌いづらい歌で、最近ぼくはほとんど歌っていない。『メッセージ』にも録音しなおして入れたが、少し、元気よすぎる気もする。荒廃の極みに達した今の日本へのメッセージとしては、もう少しゆっくりと、悲しげに、つぶやくように歌ったほうがいいのかもしれない。

 みんなそれぞれほしいだけのケーキを切り取り
 ぶどう酒を腹いっぱい飲みながら
 ほめことばや優しいことばが交わされたけれど
 笑顔は泣き顔に、やがて恨みにかわっていった


December 7, Wednesday 2005

チャンギ空港から成田まで熟睡したので疲れが残っていない、と思っていたが、昨日今日と首筋がこり、頭が少しいたい。エコノミークラス症候群の一種だろうか。狭い座席に閉じ込められて、不自然な形で眠ったので、首筋がこったに違いない。

これを直すにはスイミングがいいと、午後遅くでかける。首を回したり、肩甲骨をほぐしたりしながら300メートルほど歩いたり、泳いだり。その後サウナに5、6分。不思議、ふしぎ。頭部の不快感が嘘のように消えた。

10日ぶりのオーリアッド。しまった。牛乳を買うのを忘れていた。カフェオーレ、ココアのお客さんがあったのに、お断りせざるをえなかった。

山岸さんから電話があり、今度の土曜日、シカゴのジョン・サンダーズと一緒にくるとのこと。前回ジョンがきたとき、守人さんがいて、ジョンのアルトサックスと守人さんのギターのセッションで大いに盛り上がった。守人さんに連絡すると、その日はあいているとのことで、友人と来てくれることになった。

スプリングスティーンのトリビュート・アルバム Light of Day を聞く。Disc One の4曲目、ダン・バーンが「涙のサンダーロード」を歌っている。彼が淡々と歌うギター弾き語りの「涙のサンダーロード」は悪くない。でもやはりオリジナルの圧倒的な説得力には遠く及ばない。スプリングスティーンの歌にはやはりEストリートバンドが似合う。


December 6, Tuesday 2005

明日、久しぶりにオーリアッド再開。先月の26日以来。10日ぶりということになる。これだけ冷え込むとお客さんは少ないだろうが、それでも楽しみ。なんだかわくわくする。しばらく会わなかった恋人に会うような・・・。

今週土曜日10日には千葉市の千葉県教育会館でトークライブがある。午前10時からなので前日から出かけることにしている。千葉の高教組外国語分科会主催なので、聞きにきてくださる方は高校の先生たちが多いだろうと思う。齋藤皓太さんからも連絡があり、来てくださるようである。ちょっと緊張している。旅行中、ほとんどギターに触れることがなかった。今晩から練習しなければ。

ひがしの君からハガキが届いた。先日の Rolling 60's Live Party が楽しかったと書かれていた。それに、藤原和義さんを京都に呼んでコンサートを開く計画を立てているとも書かれていた。

今度の土曜日の飛び入りライブは、その藤原和義さんが歌いにきてくれることになっている。ぼくは千葉での講演が終り次第、6時に間に合うように帰るつもり。

またいつもの日常が始まる。


December 4, Sunday 2005

しばらく留守にしたが今日の午後帰宅。次男夫婦の結婚一周年記念のパーティがあり、クライストチャーチへ行ってきた。

山梨県に入るあたりから雪が降り始め、辰野に戻ったときには大雪。寒い日もあったが真夏のクライストチャーチから戻って、そのコントラストに驚いた。

 



旅行に出る数日前、石崎信郎さんから Rolling 60's Live Pary のCD-Rが届いた。出発前には時間がなくて聞くことが出来ず、旅行にもっていった。飛行機の中、それに宿のベッドで、最初から最後まで聞いた。それぞれの歌い手の持ち味が出ていて、とてもいいアルバムになっている。歌い手の皆さんにはできるだけ早くお手元に届けたいと思っている。


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